「楽天SCHDより個別の高配当株の方が、今の利回りは高いのでは?」
クマっち「楽天SCHDって利回り2.6%くらいだよね?NTTとか個別の高配当株の方が利回り高いなら、そっちでいいんじゃない?」




「私も最初はそう思っていました。でも調べてみたら、今の利回りだけで比べるのは実はもったいないかなと。」
この記事を読めば、楽天SCHDの利回りが年々育っていく仕組みと、なぜ数年後には個別高配当株を追い抜くのかが分かります。私自身、成長投資枠で楽天SCHDを積み立てている実体験も交えてお話しします。
今の利回りだけで判断すると損をする理由



楽天SCHD(楽天・高配当株式・米国ファンド)の分配金利回りは、記事執筆時点の2026年7月現在おおむね2.6%前後です。一方、NTTなど国内の代表的な高配当株は4%前後の利回りが珍しくありません。
高配当株を比較するとき、多くの人は「今日時点の利回り」で判断しがちです。でもこの比べ方には落とし穴があります。個別株の利回りは配当が据え置かれれば何年経っても同じ水準のままですが、増配を続ける銘柄・ファンドは違います。
実は記事執筆時点の1年前、2025年は基準価額が今よりずっと低く、当時買っていた人から見ると利回りは3.5%程度でした。楽天SCHDはこの1年で+39.83%値上がりしており、価格が急騰した分だけ、今日新たに買う人から見た利回りは下がって見えるのです。分配金だけでなく価格の変動も利回りに影響する、という一例です。




「やっぱり個別株の方が得なんじゃない?」




「私もそこで止まっていたら判断を間違えていました。でも楽天SCHDには『増配(企業が配当金を前年より増やすこと)』という武器があるんです」
楽天SCHDが連動する本家「SCHD」(米国の高配当株ETF)は、設定以来ほぼ毎年増配を続けており、過去10年の増配率は年10%前後という高い水準です。この「増え方」を考慮すると、話は変わってきます。
出典:Digrin(SCHD 10-Year Dividend Growth Rate)
分配金と配当金の違いはこちらで詳しく解説しています。



Yield on Cost(利回りが育つ仕組み)とは



たとえば100円で買った投資信託から、初年度に2.6円の分配金をもらえたら利回り2.6%です。もし翌年、分配金が2.87円に増えたら、同じ100円の投資に対する利回りは2.87%に育ちます。
買った値段は変わらないのに、もらえる分配金だけがどんどん増えていく。これがYield on Costの面白いところです。




「なるほど、買った時の値段が基準になるんだね」




「そうなんです。だから『今の利回り』だけで比べるのは、実は一時点の価値でしかないんですよね」
楽天SCHDの利回りが10年でどう変わるか



本家SCHDの増配率(年10.4%)が今後も続くと仮定して、初期利回り2.6%が何年でどう育つかを計算してみました。計算式はシンプルで、「初期利回り×(1+増配率)の経過年数乗」を毎年繰り返すだけです。
| 経過年数 | Yield on Cost |
|---|---|
| 今(購入時) | 2.60% |
| 1年後 | 2.87% |
| 2年後 | 3.17% |
| 3年後 | 3.50% |
| 4年後 | 3.86% |
| 5年後 | 4.26% |
| 6年後 | 4.71% |
| 7年後 | 5.20% |
| 8年後 | 5.74% |
| 9年後 | 6.33% |
| 10年後 | 6.99% |
注目すべきは5年後です。Yield on Costが4.26%になり、個別高配当株の代表的な利回り水準(4%前後)を追い抜きます(4年後時点は3.86%でまだ届きません)。増配が続く前提であれば、4〜5年で立場が逆転する計算です。
この計算はあくまで過去の増配率が今後も続くと仮定したシミュレーションです。将来の増配を保証するものではありません。




「10年後には6.99%…かなり増えるんだね」




「はい。ちなみに前述した1年前の2025年時点での利回り3.5%なら、2年で4%を上回る計算でした!」
個別の高配当株より優れている理由



Yield on Costの伸びだけでなく、そもそもの仕組みにも違いがあります。
個別株投資では、自分で決算をチェックし、減配の兆候がないか確認し続ける必要があります。楽天SCHDなら、10年以上の連続配当実績などの基準を満たさなくなった企業は指数から機械的に外れる仕組みになっており、その手間がかかりません。
正直に話す、為替リスクという弱点



良いことばかり書くのはフェアではないので、弱点も正直に話します。楽天SCHDは米国株に投資するため、為替ヘッジなし(円高・円安の影響をそのまま受ける仕組み)です。円高が進むと、増配していても円換算の分配金は目減りすることがあります。




「増配してても円高だと意味なくなっちゃうこともあるんだ…」




「その可能性はあります。ただ長期で積み立てる前提なら、為替は買うタイミングが分散されるので、一時的な円高もならされていくと考えています」
また、増配ペースが円高ペースを上回っていれば、円換算の分配金は結果的に増え続けます。増配率と為替の両方を意識しておくと、極端な期待も過度な不安も避けられると思います。
成長投資枠で積み立てている実体験



私は今、成長投資枠で楽天SCHDを積み立てています。つみたて投資枠ではオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)を積み立てているので、2つのファンドを並行して持っている状態です。
今の利回りだけを見ていたら、私も個別株の方に気持ちが傾いていたかもしれません。でもYield on Costという考え方を知ってから、積み立てを続けるモチベーションが上がりました。
成長投資枠で買っているので、分配金にかかる税金(通常20.315%)もNISA口座内なら非課税になります。将来分配金が育っていったとき、その伸び分をまるごと受け取れるのは大きなメリットだと感じています。




「分配金などの詳細は月次報告でしていますのでそちらをご覧ください。」
私が楽天SCHDを選んだ理由はこちらでも詳しく話しています。



まとめ|今の利回りより「育つ利回り」で選ぶ



・楽天SCHDの現在の利回りは約2.6%で、個別高配当株(4%前後)より低く見える
・本家SCHDは過去10年、年10%前後の増配を続けている
・Yield on Costで計算すると、4〜5年後に4%を超え個別高配当株を上回る(シミュレーション)
・約100銘柄への自動分散と、配当実績のある企業への自動入れ替えが個別株にはない強み
・為替ヘッジなしのため、円高局面では分配金が目減りするリスクもある
今の利回りの数字だけを見て判断すると、育っていく利回りの伸びしろを見逃してしまいます。楽天SCHDは今すぐ高配当が欲しい人より、数年単位で「育てる」楽しみを持てる人に向いているファンドだと感じています。
ここまで読んだあなたなら、今の利回りだけで一喜一憂する必要はないと分かったはずです。まずは少額からでも、育っていく利回りを一緒に見守ってみませんか。




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