クマっち「楽天SCHD、買おうか迷ってたんだけど『やめとけ』っていう意見をよく見るんだよね。そんなに危ない商品なの?」




「私も買う前に同じ検索をして、不安になりました。今は成長投資枠で実際に持っているので、その『やめとけ』がどこまで本当か正直に検証します。先に言うと私の結論は”保有継続”ですが、これはあくまで一つの考え方です」
「楽天SCHDはやめとけ」と言われる理由は、信託報酬・二重課税・トータルリターン・為替の大きく4方向にまとまります。この記事では一つずつ数字で検証し、逆に「やめなくていい」と言える点も並べて整理します。読み終わるころには、自分が買うべきか見送るべきかを判断する材料がそろうはずです。
楽天SCHDとは?「やめとけ」論の前に前提を整理



楽天SCHD(楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド)は、米国の高配当株ETF「SCHD」に投資する投資信託です。2024年9月に設定され、年4回(2月・5月・8月・11月)分配金が出ます。
中身はドル建ての米国株なので、値動きも分配金も本家SCHDに連動します。「やめとけ」と言われる理由の多くは、この”本家を包み直している”構造から生まれます。




「本家をそのまま買うのと、何が違うの?」




「買い方とコストが違います。本家は米ドルでの取引と確定申告が必要ですが、楽天SCHDは円のまま自動で完結します。そのかわり、本家にはない手数料が少し上乗せされます」
本家SCHDの実績やスペックは、こちらの記事で詳しく解説しています。



「楽天SCHDはやめとけ」と言われる5つの理由



ここからが本題です。ネットで挙げられている「やめとけ」の根拠を、大きく5つに整理して検証します。
- 理由1:信託報酬が本家SCHDより高い
- 理由2:二重課税で分配金が目減りする
- 理由3:トータルリターンでインデックスに負ける可能性
- 理由4:為替リスクをそのまま受ける
- 理由5:運用実績が短く、セクターが偏っている
理由1|信託報酬が本家SCHDより高い
楽天SCHDの信託報酬は年0.1238%程度(税込)です。本家SCHDの経費率0.06%と比べると、およそ2倍かかります。
ただし、この0.1238%は2025年5月に0.192%から引き下げられた数字です。古いネット記事では「0.192%」「本家の3倍」と書かれていることが多いので、注意してください。
検証結果:コスト差は「本家の約2倍」で事実。ただし差額は100万円あたり年600〜650円ほどで、これだけで「やめとけ」と言い切れる水準ではありません。
出典:楽天投信投資顧問(楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド)/楽天証券 プレスリリース(運用管理費用の引下げ)
理由2|二重課税で分配金が目減りする(NISAでは取り戻せない)
楽天SCHDの分配金には、日本の税金が引かれる前に、まず米国で10%の税金が差し引かれています。米国の高配当ETFに投資する以上、これは避けられません。
特定口座なら、2020年に始まった「二重課税調整」で米国分の一部が自動的に戻ります。しかしNISA口座は日本の税金が非課税なので、そもそも調整する相手がいません。結果として、NISAで持つと米国の10%は取り戻せず、引かれっぱなしになります。




「NISAって非課税じゃなかったの?」




「非課税なのは”日本の”税金だけなんです。米国で引かれる10%は、NISA口座でも取り戻せない仕組みです。私も成長投資枠で楽天SCHDを持っているので、この点は覚悟しています」
検証結果:これは事実で、楽天SCHD最大の弱点です。NISAで受け取る分配金は、額面から1割ほど目減りした金額だと考えておくと安心です。
出典:楽天証券(外国税額控除)/楽天証券(投資信託等に係る二重課税調整制度)
理由3|トータルリターンでインデックスに負ける可能性
高配当株は、利益の多くを配当として株主に配ります。その分、成長に回すお金が減るため、株価の伸びはS&P500やオルカンより穏やかになりやすい、というのが私の理解です。私が調べた範囲でも、値上がり益だけを見ればインデックスの方が伸びた期間が多いようです。
ネットでは「20年で数百万円の差がつく」といった試算も見かけます。ただ前提の置き方で結果が大きく変わるため、この記事では特定の金額は断定しません。
理由4|為替リスクをそのまま受ける
楽天SCHDは為替ヘッジなしの商品です。中身はドル建ての米国株なので、円高が進むと、増配していても円で受け取る分配金や評価額は目減りします。逆に円安なら追い風になります。
為替リスクと増配率のバランスについては、こちらでもう少し詳しく整理しています。



理由5|運用実績が短く、セクターが偏っている
楽天SCHDが日本で設定されたのは2024年9月です。まだ2年ほどしか実績がなく、暴落局面でどう動くかのデータがありません。本家SCHDには10年以上の歴史がありますが、日本の投資信託としての運用はこれからです。
出典:Schwab Asset Management(SCHD)(セクター構成、2026年の銘柄入れ替え後)
| 項目 | 楽天SCHD | 本家SCHD(米国ETF) |
|---|---|---|
| 分類 | 投資信託 | ETF(上場投資信託) |
| 設定日 | 2024年9月 | 2011年10月 |
| コスト | 信託報酬 年0.1238%程度 | 経費率 年0.06% |
| 買い方 | 円・100円から・自動積立OK | 米ドル・自分で買付・確定申告が必要 |
| 分配金 | 年4回(2・5・8・11月) | 年4回 |
| 為替ヘッジ | なし | ― |
| 日本のNISA | 成長投資枠のみ対象 | 対象外(日本のNISAでは買えない) |
出典:楽天投信投資顧問(ファンド概要)/Schwab Asset Management(SCHD商品ページ)
逆に「やめなくていい」と言える点



ここまで弱点を並べましたが、楽天SCHDには「それでも選ぶ理由」もあります。




「フェアに両面を見ておきましょう!」
出典:Schwab Asset Management(SCHD)(過去10年の配当成長率)
この「増配で利回りが育つ」考え方を、Yield on Cost(取得利回り)と呼びます。増配ペースが為替の逆風を上回れば、円で受け取る分配金も時間とともに増えていく計算です。
増配率とYield on Costの詳しい試算は、こちらの2記事にまとめています。






楽天SCHDが向いていない人・向いている人



ここまでの検証をふまえて、向き・不向きを整理します。あくまで一般的な傾向なので、最後は自分の状況で判断してください。
私はオルカンを主軸にしつつ、楽天SCHDは”サブ”として少額で持つ形にしています。全財産を高配当に寄せるのでなければ、過度に恐れる商品ではないと考えています。
デメリットを承知で、私が保有を続けている理由【実体験】



正直に言うと、ここまで書いた弱点は私も買う前にひととおり読みました。それでも成長投資枠で楽天SCHDを積み立てています。




「弱点を知ってて、どうして買ったの?」




「オルカンだけだと”数字が増えるのを眺めるだけ”で、続ける実感が薄かったんです。3ヶ月に一度お金が届くかもしれない、という楽しみを一つ持っておきたかった」
私は今、月1万円を積み立てています(2026年8月時点の設定額)。内訳はオルカンが5,000円、楽天SCHDが5,000円です。金額は小さいですが、”高配当を体験する枠”としてはこれで十分だと思っています。
楽天SCHDの分配金は、2026年8月に初めて受け取りました。額面から米国の10%が引かれているのも、自分の口座で確認できました。
「やめとけ」が刺さるかどうかは、その人が投資に何を求めているかで変わります。私は”資産の最大化”だけが目的ではないので、弱点を承知のうえで持ち続けています。
高配当は不利と知りながら楽天SCHDを選んだ、もう少し詳しい経緯はこちらです。



まとめ|「やめとけ」は半分正しい



「楽天SCHDはやめとけ」という意見は、半分は正しく、半分は言い過ぎです。コスト・二重課税・成長性の弱点は事実ですが、それを理由に全員が避けるべき商品とは言えません。
・信託報酬は本家の約2倍(年0.1238%)。ただし2025年に引き下げ済みで、致命的な高さではない
・最大の弱点は二重課税。NISAでは米国の10%が取り戻せず、分配金は1割ほど目減りする
・トータルリターンはインデックスに劣る可能性があり、資産の最大化が目的なら不向き
・為替ヘッジなし・運用実績2年・セクターの偏りも理解しておく
・一方で、増配による利回りの成長と、NISAでの国内非課税は明確なメリット
弱点を知ったうえで「それでも高配当を体験したい」と思えるなら、少額から試す価値はあります。逆に少しでも引っかかるなら、無理に買う必要はありません。
まずはオルカンなどの積立を土台にして、余裕資金の範囲で”サブ”として持つかどうかを検討してみてください。
この記事が、「買う・見送る」をあなた自身が決める助けになればうれしいです。判断は、他人の「やめとけ」ではなく、あなたの目的で。
出典
出典:楽天投信投資顧問「楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」(ファンド概要・設定日・決算・投資対象・為替ヘッジ)
出典:楽天証券株式会社 プレスリリース「運用管理費用の引下げと、名称変更&愛称を決定!」(信託報酬 0.192%→0.1238%)
出典:楽天証券(外国税額控除)/楽天証券(投資信託等に係る二重課税調整制度)(NISA口座での二重課税の扱い)
出典:Schwab Asset Management「Schwab U.S. Dividend Equity ETF(SCHD)」(本家の経費率・設定日・SEC利回り・過去10年の配当成長率)
※信託報酬・利回り・増配率は2026年8月時点の公表値および過去実績であり、将来の成果を保証するものではありません。






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